13人が本棚に入れています
本棚に追加
勢いよく教室のドアを開けて、愛しい人の姿を探す。
ーーーーーー居た!!!
窓際の修也の席の周りに男子が集まって、楽しそうに騒いでる。
その中に、私は大好きな人の姿を見つけた。
修也の隣の机に浅く腰かけてる後ろ姿は、間違いなくーーー
「憲司~!! 会いたかったよー!!憲司に会えない土日が、すご~く長く感じたよ~!!私頭がおかしくなりそうだったー!!!」
そう言いながら両手を広げて、憲司に抱きつこうとした私。
「そんなに俺に会いたきゃ、もっと早く来い!!今日は俺とお前で日直だろがっ!!」
振り向いた憲司は片手を伸ばし、私のおでこに手を当ててソレを食い止めた。
腕の長さが違うから、おでこを押さえられた私は、どんなに足掻いても憲司に触れられない。
「憲司~。手ジャマだよ!ギュってできないじゃん!!」
「させねーよ。」
そんな私達のやり取りを見て、周りから笑いが起こる。
「代わりに俺がギュってしてやろうか~?」
遠藤が笑いながら言った。
「やだ!憲司がいい!!」
「出たよ、春花の憲司病!」
皆が笑ってる。
憲司も笑ってる。
私は まだ足掻いてるーー。
何時もの光景。
最初のコメントを投稿しよう!