色づく

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友達が一緒なわけでも、やりたいことがこの学校にある訳でもなく…自分が今ここに居る意味が無い様な、そんな気持ちで向かった入学式。 正門を潜り、校舎へと続く並木道を、私は俯きながら一人歩いていた。 入学式ということもあり、皆どこか浮き足だった雰囲気で…私だけがひとりぼっちで…泣きたい位に孤独を感じていたーー。 そんな私の耳に、聞こえてきた彼の声ーーー 『…すげー綺麗…   何か…    心が洗われる感じ…』 何故だろう…私は足を止めていた。 私の目の前に背の高い男の子が、上を見上げて立っていた。 連れて私も見上げたーーーその先にはーーーー
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