6話 ドラマ

6/9
前へ
/131ページ
次へ
次から次に仕事が入るようになった。 次のドラマの話も本決まりになった。 次はマンガが原作のラブストーリー。最初はデブでさえない女の子(私)が、好きな先輩ができて告白。当たり前だが門前払いされる。 悔しくて、ダイエットしながら美容に気を使い、劇的に美人になって、振った相手に惚れさせようと四苦八苦する、少しコメディ。 それから単発のドラマ『源頼朝の娘~大姫~』大姫(私)が木曾義高との恋物語。 大姫の話は気に入った。かなり熱演したと思う。泣き狂うシーンがあって、本気で酸欠になった。 大姫になれたの、嬉しかった。 気がついたら、私、有名になってた。タレントより、ちゃんと『女優』と呼ばれて嬉しかった。 『花咲くように散るように』 は、最終回は視聴率最高だった。後から知ったけど、私の起用は大モメだったらしく、視聴率落ちたら打ち切りにするつもりだったらしい。 成功して、本当に良かった。 まだ、高橋梨華は私の胸に残ってる。初めての私の違う人物として。 有名になったの自覚したの、外に買い物しに出掛けた時。 大姫もやったからだと思うけど、老若男女に囲まれて、買い物なんかできないでタクシー飛び乗って帰った時だ。 やっと掴んだ夢だけど、自由はなくなった。 一気に本当に登ってきたんだと思う。 疲れた。たまにはゆっくりしたい。 マンガコメディドラマはまずマンガ読んでなりきった。楽しい役だから、感情の起伏激しく演技した。 視聴率良くて、私はこのドラマ撮影終わったら1週間くらい休みたいと桜井さんにお願いした。 CMの撮影があるらしく、それが終わったら4日の休みをもぎ取った。 冬哉さんに会いたかった。
/131ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1436人が本棚に入れています
本棚に追加