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いつの間にか寝てた。
起きたら冬哉さんは居なかった。
でも嬉しかった。…真澄さんのとこに戻ったんだね。
私の怪我は頭切ったのと助骨にひび、足の切り傷。足は少し跡が残ると言われた。
後は顔の打撲、骨や目に異常はなかったけど、入院しなければいけなかった。
当たり前だけど、海原は塀の向こうに入った。
2度と会う事はないみたいで安心した。
しばらくしたら野沢監督や、関係者、今まで共演してた人から山みたいなお見舞いが届いた。
それから映画は私が完治するまで待ってくれるらしい。
『早智』やりたかったから嬉しかった。
お母さんが話てくれた。
「美月が海原に連れて行かれて、警察より、誰より先に美月を助けたの、冬哉さんよ」
「……知ってる」
「美月を助けてから、寝ないで2日間居たの」
「そんな事して、真澄さんに嫌われたらどうするんだろうね?」
「……冬哉さんはね、『美月を一生好きでいる』って。…私に言われてもねえ」
と、お母さんが笑った。私も笑ってしまった。
「結婚する人の言葉じゃないよね」
「結婚しないから私に言ったのよ。…きっとね」
それは本当だった。
数日後、真澄さんがお見舞いに来た。
「もう大丈夫ですか?」
「ありがとうございます。後は助骨さえ直れば大丈夫です」
「……私ね、あなたに謝らないといけないの。……前に『別れて下さい』って言ったの、逆だったのね。私と冬哉の為にあなたが身を引いていたのね。……知らなくて、あなたが冬哉を縛ってると勘違いしてたの。……ごめんなさい」
「あの、その話はどこから…?」
「冬哉以外、誰がするの?……冬哉に『抱きたい女、守りたい女、いる』って言われたわ。……冬哉の方が引けないほど、あなたを好きだったのね……惨めだった。……私はお金で冬哉を繋ぎとめてたのを、嫌ってほど、思い知らされたわ……『ホスト』だったの、忘れるくらい好きだったから、気づかなかったの」
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