13話 恨み

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「………」 何も言葉みつからない。 「『ホスト』に貢いで何年間も。…私を好きなんだって勘違いさせてくれて、最高の『ホスト』ね。……最低な男ね。もう少し早く言ってくれたなら、他に好きな人作れたのかもしれないのに……冬哉の気持ちがわかった以上、もう冬哉とはきっと無理ね。……でも情けないけど、まだどこかで私を好きで…結婚してくれるなら、…他に女いても許せるから居て欲しいとか思っているの………だから、聞かせて?……あなたは、冬哉の、本当に『客』?……映画や本みたいに…客じゃなくて知り合ったの?」 真澄さんが、冬哉さんに対しての気持ちに、自分に、ケジメつけたいのがよくわかった。 嘘、言えなかった。 「……客として、お店に行った事ありません……」 真澄さんが、戸惑った表情見せて、それからにこりと笑った。 「ありがとう……言うの嫌だったでしょ?……でも言ってくれてありがとう。……」 そして私に頭下げて、病室から出ようとドアのノブに手をかけてから振り返った。 「……ごめんなさい。わたしは『お幸せに』なんて言えないわ……さようなら…お邪魔しました…」 病室を出て行った。 ………これで良かったのかどうなのかわからない。 だけど、もう嘘言えなかった。 冬哉さんの夢が潰れたら、私のせいかな? 店、潰れるような事になったら私のせいだよね。 取り返しがつかない事を言ってしまったのかもしれない。 夕方過ぎて、冬哉さんがバカみたいな花束抱えて来た。 「おう!だいぶ元気になったみたいだな」 「……なに、その花束?」 「病室でどんな花束がいいのかわからんし、お前の好きな花もわからんから、適当にそこらの花全部まとめてもらったらこんなんなった。…病室だと暇だから花とか見たいだろ?」
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