14話 ネックレス

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私、どうなんだろう? 私が這い上がって掴んだ『夢』捨てれる? ……天秤にかけれない。まだ、私が答え出せない。 凄い好きだよ。大好き。 でも、夢のゴールってどこにあるんだろう? 生きていく限り続く気がする。 大好きで、好きでいてくれて、夢も掴んでいたいって、私が1番贅沢で欲しがり屋だ。 「俺はな、お前守る事、大事にする事が今の1番な『夢』かもしんねえ。次はな、経営者として、まだまだ未熟。…もう本当に経営者としての道歩くつもり。…次の俺の目標は『経営者としての成功』だな」 ああ、そうか。夢と目標は違うね。 なら私にもわかる。 夢は冬哉さんと一生一緒に生きていたい。女としての幸せ欲しい。 目標は『女優』になる、演技する事。 夢は一生見続けていくね。 目標は現実にしていくね。 私はもう『女優になる夢』は叶えてたんだね。 目標は『早智』を演じる事なんだね。 そうか。夢は見続けるから夢なんだね。 「お前が女優してんの、いいんじゃねえの?…やりたい事なんだから。だけど、俺が居るの忘れんなよ。俺が好きなのを忘れんなよ」 ……ありがとう。 「早く元気になれ。早く元気になって、早くいっぱいやらせろ。よがれ。イカせろ。イカせまくるからな」 …………この人、お見舞いに来たんだよね? まあ……冬哉さんらしい。俺様野郎牛魔神らしい。 笑ってしまった。 冬哉さんも笑ってた。 入院してて知らなかったけど、やはり『橋本結月誘拐事件』は凄いニュースになってて、毎日の話題になっていた。 なんで病室にテレビないのかなって思ってたら、私の心を心配してわざと「全部貸出し中なんです」と言ってたらしい。 だけど世間は私に同情的だった。 イメージダウンなんかヌード平気な『女優』には、ほとんどなかった。
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