15話 監督

3/7
1424人が本棚に入れています
本棚に追加
/131ページ
恋人誠一と最初に早智(私)が嫁に行く事が決まって別れを切り出すシーン 早智『好きだよ……だけど、もう無理。…私は嫁に行くの。……こんな、誠一への気持ち、引きずったまま行けない……苦しいの。好きだから、苦しいの。…お願い、別れて……』 誠一『…俺は早智が好きだ!なんで…好きなのに別れるなんて…無理だ!嫌だ!そんな別れるなんてできない!』 早智『私も好きだよ…好きだからツラい!!わかって!!』 誠一『…わかんないよ…どうやって別れられんだよ!』 早智『……好きだから、もう、私を忘れて欲しいの。…誠一を引きずったままなんて、……好きだから、苦しい…の…』 早智が涙を溢す。目が合わせられない2人。 「はい!カット!オッケー!!」 最初に冬哉さんと別れようとした時みたいだ。 思い出して、本気で泣いた。 私の中で『早智』が生まれた。 こうなるともう早い。私の中の早智が勝手に私の口を借りて話して、体使って動き出す。 早智『んんっ、…あああっ!ああっ!んう!んんっ!はあっ、』 誠一『はあ、はあっ、………早智、愛してる、はあっ、』 早智『……はあっ、…私、このまま……死ねたらいいな……そうしたら、ずっとずっと誠一の腕の中にいれるね……んうっ、…んう…誠一だけの私でいたい…はあっ……んんっ、イク、んああ!!』 誠一『…んんっ、…早智は…俺だけのだ…んんうっ、…』 「はい!カット!!オッケー!!」 このシーンは真澄さんと冬哉さんが結婚するかもって思い出した。 そう思ったら、繋がったまま死ねたらって、本当に思った。 早智は本当にそう思ったんだと思う。 だから「私を殺して」って言葉が次に出たんだと思う。 繋がった瞬間の悦びがあったから、出た言葉だったんだ。 私、恋してて良かった。 前に監督が 『女優は恋愛してなきゃダメになるぞ』 って言ってた意味が理解できた。
/131ページ

最初のコメントを投稿しよう!