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柔らかな陽が差す麗らかな午後。
空には青空が広がり、ほどよく風も吹いている。
そういえば、庭園で桜が満開になったと記事が出ていた。
花見をしながら昼寝でもしたいと、心の底から思う。
手は動かしながら別の方へと思考を傾ける。
目の前の上等な服を着た青年は無視だ無視。
爺共の使いなんて、俺が相手する価値もねぇ。
「鈴懸殿。書類はしっかり目を通して頂けませんか」
「……あ゛ぁ?ちゃんと視界には写してる。あとから聞かれても問題ねぇよ」
って言うか一々全文読んでたらいつまで経っても終わらねぇよ? 何、長時間立ったまま待たされたいの?ドM?元老院の狗が調子乗んな。今からでも潰してやろうか。
「柊南、流石に駄目だ」
「……ちっ」
心を読んだんじゃないかと言うタイミングで、背後のボーデンがそう声を掛けてきた。
小さく舌打ちを返すが心の中で考えるのは自由だと思うんだ。
めんどくせぇ…ってか飽きた。元老院のクソジジイに使う敬意なんて欠片もねぇよ。なんで俺がこんなクソみたいな書類読まなきゃいけねぇんだよ。
正面に立つヤローには聞こえないように、そう小さくつぶやいた。
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