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「…詳しい話は後程聞かせてもらいましょう」
「…ほ、本当に私は…っぐ」
近寄るボーデンに男はなおも言い募ろうとするが、その声は途中で途切れた。問答無用で意識を刈り取られたのだ。
そのまま後ろ手に縛り上げる様を見ながら、手だけは相変わらず早い事に苦笑いが浮かぶ。
「…手加減はしたよな?」
「当たり前だ。警備部の者に引き渡してくるから、大人しくしてろよ」
ボーデンは軽々と男を脇に抱えると、そう言い置いて部屋を出ていった。
「…んな言わなくても大人しくしてんだろ…」
聞こえないのはわかっているが、思わずそう呟いてしまう。
アイツの中で、俺はいつまでたっても保護すべき子供らしい。
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