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と、まあ、紹介はここまでにしてソファーに座る。
「…んで要件は?」
案の定千里眼で見ていたらしいヴィスカルディは、俺と自分の分であろうコーヒーカップをテーブルに置くと、端的に問いかけてくる。
「内通者がいるから捕まえろ」
「さっきの男か?何があった」
「見てたんじゃないのか?」
コーヒーのタイミングからして見ていたんだと思ったが。
「執務室の鍵が閉まったところからはな」
「あぁ、そういう事か」
ずっと見ていた訳ではなく、魔術が働いたから千里眼を使ったらしい。
「あの男が持ってきた書類に、服従の魔術が掛けられていた。関与はしていなくとも、運んできただけで共謀罪だったろ」
「…ふーん?俺の管轄内でんな事するとか命知らずだな。暇つぶしに丁度いいから任されてやるよ」
にやり、とあくどい笑みを浮かべるこいつに、主犯の冥福を祈っておく。
side out
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