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 次の日の朝、小道の十字路で昨日のお爺さんを見つけた。お爺さんは緑色ではなくなっていた。  しかし僕は再び驚いた。今度はお爺さんの全身が黄色だったのだ。顔も、手も、首も。あまりに驚いた僕はお爺さんに話しかけた。  なぜ今度は黄色になったのですか、と。  お爺さんはこう答えた。 「昨日、研究所に行って事情を聞いたんだ。なんでワシは緑色になったのだ、こんなことは聞いてない、とね。そうしたらやつらこう言った。これは人間の体に葉緑体を入れる薬なんだと。植物のように太陽の光だけで生きていけるようになるなら、食事はいらなくなる、とね。しかしその代わり、全身に葉緑体が行きわたるせいで緑色になってしまうのだ、と。ワシはそんなことは聞いてない元に戻せと言ったら、奴ら素直に別の薬を渡してきおった。体中に行きわたった青色を抜く薬だという。正直胡散臭かったが、安い薬だったので試しに買って飲んでみた。そうしたら今度はこの様だ。確かに緑じゃなくなったが、こんな全身黄色では困るでな。今から昨日の研究所に行って、やつらに理由を聞いてくるところだ」  そう言って全身黄色のお爺さんは、朝日を背に小道の十字路を歩いてどこかに去って行った。
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