1272人が本棚に入れています
本棚に追加
/207ページ
「で？……こんなとこで何してたの？ひとりじゃ危ないよ」
「あの……」
「ん？」
よく聞こえないから、少し近づいて、顔を覗き込んだ。
「た…体調が悪いと聞いたので……」
ああ。そういう事にしたんだっけ。
それにしても…
ｸｽｯ……慌てて後退りしてる。
近過ぎたか？
反応が可愛いな。
でも……、
「心配してくれたの？」
コクッと頷く彼女。
まさか、葵さんにコクられたから……なんて言えねぇしな。
「ありがとう………葵さんと友達なんだって？」
「！……いえ……友達というわけじゃ……」
表情が硬くなったな。
触れられたくない話題だったか……？
「……まぁいいや。とりあえず家まで送るよ。ひとりじゃ危ないし……」
「えっ？……あ……でも……」
「オレじゃ、頼りない？」
顔を覗き込むようにして訊くと、
首が、ちぎれるんじゃないかと思うくらい、ブンブンと横に振った。
反応が、いちいち可愛い。
「じゃ、決まりね」
今日は、葵さんの事で頭がいっぱいになると思ってたのに……。
オレって……
こんなに、チャラかった……？
いや………今日は、細かいこと考えるのや
めよ。
最初のコメントを投稿しよう！