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シャワー室に向かう前に、タオルとボディーソープを持っていくため、一旦控え室に寄った。
そこへ、葵さんが顔を出した。
「親父、何だって?」
「食事に行く前に、ちょっと様子を見に来ただけらしいスよ」
板垣葵さんは、オレのマネージャー兼事務所の副社長で、
以前は、自身もモデルをやっていたらしい。
「あっ……それと、女の子連れてましたよ」
「女の子……?」
「葵さんの友達だって言ってましたけど……?」
「……オレの………?今日……だった……?つーか、本当に女だったのか?」
「何言ってんスか。しかもそのコ、すっげぇかわいいんスよ。オレのこと見て、顔赤くしちゃって……」
「お前なぁ………」
葵さんは、半ば呆れ顔で呟いた。
「自分の姿、見てみろよ」
「あっ………」
そうだった……。
「女物の襦袢羽織って、胸がチラ見えしてる姿なんて……、直視出来るわけねぇだろ?」
「あのコ……純情そうだったしな……」
「それに……高校生のクセに胸板は厚いし、腹筋は割れてるし……妙に色っぽいんだよ……」
「ん……? なんスか?」
オレの反応にイラッときたのか、急に説教モードになった。
「お前は、全然わかってない。 お前には、男も惑わす色香がある!」
「……はぁ………?」
……男なんて、惑わしたくねぇけど……。
「今回のアンケート結果だってそうだろ?」
「あっ……、それって、どんなアンケートだったんスか?」
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