5.あの日

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モサ男さんの一件以来、紫津木は、毎日のように来ている。 学校→仕事(仕事が無い日は、遊んでるのかな?)→家 だったのが、 学校→オレの家→仕事→家 になったらしい。 今日も、もちろん来ていて、ローテーブルに宿題を広げている。 仕事先で宿題をしてると、葵さんに叱られるらしい。 昨日は、何だったかな……『喉渇いた!』が、第一声だったような……。 どうして来てくれるのかな……。 訊いてみたい。 けど…訊いたら、もう来てくれなくなるような気がして。 オレみたいな奴……正義感強そうな紫津木が、一番嫌いな種族なんじゃないのかな……? でも、この時間が心地良くなっているのも事実で……。 いつまでも、続いて欲しい。 だから、はっきりさせるのが怖い。 曖昧な関係でも、紫津木の傍にいたい。 「如月……?」 ハッと紫津木の顔を見る……ていうか、ずっと見てた?! 「また、オレの顔見て考え事してた?」 しょうがないな_みたいな表情で、クスッと笑う紫津木……。
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