1283人が本棚に入れています
本棚に追加
「あの……ぇ……今、どんな事やってるの?」
と、紫津木のノートに目をやる。
動揺し過ぎ……。 こんなんじゃ、紫津木に変に思われる。
「数Bやってんだけど……」
と、ノートに何か書きながら答える紫津木。
「うん……」
オレも一緒に、ノートを覗き込む。
「如月……」
「ん?」
「……近い」
ハッとして顔をあげると、唇が触れそうな距離だった。
「あぁぁっっ~ごめん!」
2,3歩後ずさった。
「いや…そこまでさがらなくても…」
紫津木は、困ったような笑みを浮かべた。
ああ、何やってんだろ……さっきから挙動不審……。
自然にしなきゃ。
「……な…何で休みなのに、制服なの? 先週も、そうだったけど……」
落ち着け……!
「親善試合が近いから、土日も部活に参加してるんだ。今日も、その帰り」
「ぁ……空手?」
紫津木は、少しだけ驚いた顔をしたけど、直ぐに嬉しそうに笑ってくれた。
「そう!すげぇ」
そんなキラキラした瞳で驚かれると、言いづらいんですけど……
「前……空手で鍛えてる…て、聞いたから」
「えっ……オレ、そんな恥ずい事言った?」
「うん……」
「そっか」
最初のコメントを投稿しよう!