5.あの日

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「あの……ぇ……今、どんな事やってるの?」 と、紫津木のノートに目をやる。 動揺し過ぎ……。 こんなんじゃ、紫津木に変に思われる。 「数Bやってんだけど……」 と、ノートに何か書きながら答える紫津木。   「うん……」 オレも一緒に、ノートを覗き込む。   「如月……」 「ん?」 「……近い」 ハッとして顔をあげると、唇が触れそうな距離だった。 「あぁぁっっ~ごめん!」 2,3歩後ずさった。 「いや…そこまでさがらなくても…」 紫津木は、困ったような笑みを浮かべた。 ああ、何やってんだろ……さっきから挙動不審……。 自然にしなきゃ。 「……な…何で休みなのに、制服なの? 先週も、そうだったけど……」 落ち着け……! 「親善試合が近いから、土日も部活に参加してるんだ。今日も、その帰り」 「ぁ……空手?」 紫津木は、少しだけ驚いた顔をしたけど、直ぐに嬉しそうに笑ってくれた。 「そう!すげぇ」 そんなキラキラした瞳で驚かれると、言いづらいんですけど…… 「前……空手で鍛えてる…て、聞いたから」 「えっ……オレ、そんな恥ずい事言った?」 「うん……」 「そっか」
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