5.あの日

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「ぁの……? 4年の板垣葵さんですか?」 2人連れの女の子が、そいつに話しかけてきた。 「そうだけど…」 と、そいつが返事した途端…… 「「「「キャァーーーー!!!!」」」」 体育館内にいた殆どの女子が、そいつの周りに駆け寄ってきた。 オレは、慌てて輪の外に逃げた。 何事?……ていうか、こいつ誰? 「どうして体育に?」 アイドルに話しかけるような感じで、女子は満面の笑顔だ。   「気分転換…的な…?」 「本当にモデル辞めちゃうんですか?」 「ああ……そうだよ」 「もったいないです!辞めないで下さい!」 そいつは、困ったような苦笑いを浮かべて、うなじの辺りをポリポリと掻いている。 「おーい!その位にしとけ!」 体育の講師が、手をパンパンと叩きながら入ってきた。 「板垣、またお前か」 「すんません。先生」 と、悪戯っぽい笑顔を浮かべた。   「準備体操始めるから、散らばれ!」
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