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「ぁの……? 4年の板垣葵さんですか?」
2人連れの女の子が、そいつに話しかけてきた。
「そうだけど…」
と、そいつが返事した途端……
「「「「キャァーーーー!!!!」」」」
体育館内にいた殆どの女子が、そいつの周りに駆け寄ってきた。
オレは、慌てて輪の外に逃げた。
何事?……ていうか、こいつ誰?
「どうして体育に?」
アイドルに話しかけるような感じで、女子は満面の笑顔だ。
「気分転換…的な…?」
「本当にモデル辞めちゃうんですか?」
「ああ……そうだよ」
「もったいないです!辞めないで下さい!」
そいつは、困ったような苦笑いを浮かべて、うなじの辺りをポリポリと掻いている。
「おーい!その位にしとけ!」
体育の講師が、手をパンパンと叩きながら入ってきた。
「板垣、またお前か」
「すんません。先生」
と、悪戯っぽい笑顔を浮かべた。
「準備体操始めるから、散らばれ!」
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