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「腹減ったぁ。つーか、ねみぃ」
外に出ると、辺りはすっかり夜の街に変貌していた。
制服でウロウロできる雰囲気じゃねぇよな。
結局、あの後、社長や女の子と食事する気分にはなれず、断りの電話をいれてしまった。
葵さんは、めっちゃ怒ってたけど。
だってまあ、しょうがねぇよ。尊敬してる葵さんから、コクられたら、サラッと受け流せないつーか、オレだけチャラチャラと、女の子とイイ想いなんて出来ねぇじゃん。
今日ぐらいは、葵さんの事想っててやりてぇし、
知らねぇ女子からコクられた時みてぇに、事務的に処理したくなかったんだよ。
_と、ガラにもなく、しみじみと歩き始めると、街灯の下に見覚えのある姿が……。
「えっと……確か……」
「あっ………えっ……?」
めっちゃ驚いた顔をしてる………?
「如月さん……?だっけ?」
「はい!そうです。………あの…?」
「ん?」
「……高校生……だったんですね」
「……は?」
確かにオレは、グレーのタータンチェックのパンツにワイシャツ、エンジのネクタイに紺のカーディガンという、すぐに制服とわかる格好をしていた。
「スタジオにいらした時は、とても大人っぽく見えたので……、てっきり、同じ位かと……」
「ああ、それで」
_びっくりした顔したんだ。
ん?
「同じ位って?……いくつ?」
「大学2年……二十歳です」
「へぇ。…………え……えぇぇっっ?!大人?!」
「はい……よく若く見られます……」
「あっ………悪い…」
「いえ………慣れてるので……」
でも………こんな細ぇし、ちっちゃいし、肩もこんな狭ぇし……あっこれは、年齢関係無いか……
ほっぺたなんて、ぷにぷにしてそうじゃん。
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