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正志は思わず「ヤバイ!」と立ち上がった。
そして管理人室に駆け付けた正志は、管理人に事情を話した。
すると彼は、怪訝そうな顔つきで、
「そんな事は無いはずですが……」
マスターキーを持って、その部屋に向かった。
ドアの上に『214』とあるその部屋に着くと、正志だけが入って確認し――呆然とした。家具も無い完全な空き部屋だったのだ。
廊下で待つ管理人が、
「数年前に殺人事件があって、それっきり……。だから夢でも見たんでしょう……。しっかりして下さいよ……」
正志が謝りながら部屋を出ると、管理人は笑いながら、さっさと戻っていった。が、その時、周りの空気が変化した気がした。
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