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正志は、とぼとぼと自室に戻ってきてドアを開けた。
瞬間――あれ? どうなってるんだ?――と足を止めてしまった。
玄関の感じが、まったく違っていたからだ。きれいに整理されていて、洒落た玄関マットまであった。そして、なぜか男女の靴があった。
正志が部屋番号を確認しようとした時、女性の声で、
「あら? どうぞお入り下さいな」
それは、あの二階から聞こえた声に似ていた。やがて一人の女性が現れた。
「さー、どうぞ遠慮なく――」
彼女は正志を奥へと誘導した。
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