その時、214号室に入ると…

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「もしもし、中島さん。しっかりして下さいよ!」  その声に正志は、ハッと目を開けた。部屋の前の廊下だった。そして顔を覗き込んでいるのは、管理人だった。正志は呆然として、 「どうして……?」 「例の都市伝説を思い出したんですよ。それで何か変な事があるとマズイと思って、ここに来てみたんです。すると室内から変な女の声が聞こえたんで、中に入ったら、奇妙な(もや)の中にあなたが倒れていたもんで……」  正志は起き上がると、彼の手を握り、 「ありがとう……感謝するよ。変な死に方をするところだった……」  翌日から正志は、赤っぽい三日月の夜は早々に寝ることにしたのだった。  ―The End―
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