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────そして翌日。
スタジオポンタのロビーの座席に、中塚、本間、桐生の3名が腰を降ろして談笑している。しばらくして、ロビーの扉が開き、長身の男が右肩にギターケースを担いで入って来た。
「おお、こっち、こっち」
中原は右手をあげて促した。
糸原は照れ臭そうに、中原たちの方に歩みを進めた。
「よしっ、メンツもそろったし、中にはいるべ」
中塚が先頭で扉のドアガラス『C』かかれた、室内に入って行く。
次に桐生が入り、本間は右手で、
「お先にどうぞ」
と、糸原に対して先を譲ると、糸原も
「いえ、俺の方が入れて頂く身分ですので、お先にどうぞ」
その糸原のセリフに本間は微笑んでいた。
「新たなメンバーの方が、ご優先ですので」
「それじゃ、お先に失礼いたします」
本間はふたたび微笑み、糸原のあとから室内に入る。
中塚と桐生はすでにセッティングは完了していた。
糸原はギターケースから、フェンダーのギターを取り出し、エフェクターとアンプにシールドをつなぐ。そしてアンプのボリュームをあげて、チューニングを合わせている。
本間もベースアンプとエフェクターに、シールドをつないだ。
メンバー全員が準備完了。
桐生がパラレルボーイのカウントを取る。
本間がベースでリズムをとり始める。
そして糸原が入る。
中塚はギターを弾きながら、歌い始めた……。
新星ZEROFIGHTER、いまここに産声をあげた。
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