赤い花瓶

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 クラスで一番のイケメンだった高藤君の近所に、突然引っ越してきた江川さんは、高藤君と仲が良くなった。それを知った私たちは、徐々に陰湿ないじめをしてから、本当にこの世から遠ざけてしまった。  大雨の中。不良たちに頼んで暴行したあげく赤い傘と共に埋めたはず。  生きたままお寺のお墓の中に。  これで、死ぬだろうと私と四里は思った。  だが、間違いだったのだろうか?  泣きながら見当違いな笑い声を発した私と四里の席には、いつの間にかそれぞれ赤い花瓶が置かれていた。 ああ。そうなんだ。今日に利根川で亡くなった人は三人だった。
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