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「指さばきは確かにすごいな」
「でもネトゲってさあ……基本コミュニケーションツールだしねぇ」
「陰キャには辛いかもねネトゲは」
そういう会話を僕は離れて聞いている……わけでもなくて、すぐ近くで話している。というか、僕が聞いていたところで僕が嫌な思いをしてもみんなは構わない。でも、嫌な思いとは言っても、それは――。
「おい、それはねぇだろ……なぁ、タカシ」
僕は黙っている。ヒロくんにしても、お父さんやお母さんにしても、誤解をしている。こういうことを言われて、僕はとても嫌な思いをしていて、それでも意気地なしだから黙っていると思われてる。
でも僕は嫌な思いもしていないし傷ついてもいない。世の中ってそういうものだとう思うからいまさらどうにもならない。
僕は、どうして僕を守りたい人たちの思い通りに傷つかなくてはいけないんだろう? 何も感じなければそれで済むのに、どうして何かを感じなくてはいけないんだろう?
帰り道も、ヒロくんは僕を心配してくれた。
「俺……ああいうの、つらい」
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