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「もしかして、その弟君が反対してるんですか? 大切なお姉さんを取られるのがやだって言って! やだ、シスコン? シスコンですかっ!?」
「え……か、香乃ちゃん?」
「うわー、少女マンガ展開ですね! いやもう、いっそマンガにしちゃっていいですかっ?」
「香乃ちゃん……」
どうやら香乃のマンガ愛に火がついてしまったようだ。
「香乃ちゃんの指摘はある意味間違ってないけどね。確かに悠馬君って、シスコン要素あるし」
唯が火に油を注ぐような発言をする。
「やっぱりー!!」とはしゃぐ香乃に、藍李は申し訳ない気持ちになる。
というのも、今回はそういった展開ではないからだ。
「ごめんね、香乃ちゃん。実はそうじゃなくてね……」
「あ、違うんだ!?」
唯もそういった展開を予想していたようで、意外という顔をする。
藍李は小さく頷き、視線を遠くに移した。
「悠馬じゃないんだよね……」
──藍李は再び、お互いの家族と初顔合わせした日のことを思い起こしていた。
■ニアリーイコール(2.5)了
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