ニアリーイコール(2.5)~digression~

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「もしかして、その弟君が反対してるんですか? 大切なお姉さんを取られるのがやだって言って! やだ、シスコン? シスコンですかっ!?」 「え……か、香乃ちゃん?」 「うわー、少女マンガ展開ですね! いやもう、いっそマンガにしちゃっていいですかっ?」 「香乃ちゃん……」  どうやら香乃のマンガ愛に火がついてしまったようだ。 「香乃ちゃんの指摘はある意味間違ってないけどね。確かに悠馬君って、シスコン要素あるし」  唯が火に油を注ぐような発言をする。  「やっぱりー!!」とはしゃぐ香乃に、藍李は申し訳ない気持ちになる。  というのも、今回はそういった展開ではないからだ。 「ごめんね、香乃ちゃん。実はそうじゃなくてね……」 「あ、違うんだ!?」  唯もそういった展開を予想していたようで、意外という顔をする。  藍李は小さく頷き、視線を遠くに移した。 「悠馬じゃないんだよね……」  ──藍李は再び、お互いの家族と初顔合わせした日のことを思い起こしていた。 ■ニアリーイコール(2.5)了
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