ニアリーイコール(03)~my first~

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 会議室に入ってからも、藍李は何か考え込んでいる。  佐藤は藍李を驚かさないよう、静かに呼びかけた。 「神城さん」 「え……あっ、はい。すみません、ぼんやりして」  我に返り、藍李は席に座ってパソコンを広げようとする。  それを制し、佐藤は穏やかな笑みを向けた。 「仕事じゃないからいいよ」 「え……じゃあ」 「須王君の妹さんと、何かあったの?」 「!」  ズバリ核心を突かれ、藍李は言葉を失う。  あの写真を見た時、自分はそんなにおかしな態度だったのだろうか。 「私……変な態度とってましたか?」 「いや、そういう訳じゃないよ」 「だったらどうして……」  不安そうな顔をする藍李に、佐藤は変わらず穏やかな笑みを向け続ける。  この様子からすると、須王の妹については藍李にも思うところがある、そのことは明白だった。そして、それを須王に話せずにいることも。
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