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「基準を “愛する男性(ひと)” にすると、一番は貴司だよ」
「そうじゃなきゃ困る」
「そうだよね」
今はもちろんそうだ。
しかし、一年後、二年後、五年後、十年後もそうであるかはわからない。
──人の想いは変わり続けるものだから。
でも、だからこそ。
「これから先もずっと……お互いの “一番” であり続けるために、一緒にいるのかもしれないね」
呟くような藍李の言葉を逃さない。
須王は藍李を抱きしめ、額にふわりと口づけを落とす。
「俺はずっとお前の “一番” であり続けるよ、藍李」
「うん。私も……貴司の “一番” でいるから」
今日という日が好きのピークだなんて、勿体なくて、寂しい。
今日よりも明日よりも明後日よりも。
これからやってくる毎日が、最高の気持ちであるように。
『my first』
お互いが “一番” 愛しい “最上級のパートナー”。
■ニアリーイコール(03)了
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