ニアリーイコール

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「詳細は後で七瀬君から説明してもらうが、実は須王君が大きな仕事を取ってきてね、そこで須王君をリーダーとする制作チームが立ち上がることになったんだ」 「でも、それが私に……」  自分に何の関係があるのか尋ねようとすると、藍李に向かって七瀬がニッコリと笑った。ほぼ反射的に、藍李も七瀬に微笑みかける。 「はじめまして、神城さん。僕は七瀬東吾、一応制作部の部長をやっている」 「あ……えっと……はじめまして。神城……藍李です」  物腰が柔らかそうだがそれだけではない、藍李は七瀬にそんな印象を抱いた。  優し気な笑みは決して嘘ではない。しかし、どこか曲者めいた雰囲気を漂わせていた。 「さっきの話の続きなんだけど、新しい制作チームのディレクターがまだ決まっていなくてね」 「はぁ……」  だからなんだというのだろう?  制作部のプロジェクトに何故総務部が関係するのか。そもそもありえない話だ。制作部と総務部では、仕事の内容も会社内での役割も全く違う。
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