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「しかし、この異形達は、何処へ向かっているのでしょうか…」
ギルティアが、疑問を言葉にする。
この先は…今まで行った事のないエリアだった。
宇宙群分布図では、この先には不自然に何も存在していない領域が広がっているようだ。
エネルギー反応はある為、もしこの先に小規模な宇宙群…世界、宇宙規模の宇宙群などが存在している場合、未だにそれを旅人達も知らない、という可能性もある。
…時折、そういう宇宙群もまた存在しているのだ。
どうやら、その向こうにも幾つか宇宙群があるようだが、それもまた、まだギルティアが行った事のないエリアであった。
「この戦いが本当の意味で終息したなら、次はこちらの方面に向かってみましょうかね…」
ギルティアがそんな事を言っている間に、異形の群れの最後尾の一団がエルヴズユンデの射程に入る。
「…捉えました!!プリズナーブラスター…バァァァァァァストッ!!!」
エルヴズユンデの胸部から解き放たれた熱量の雨が、異形の群れを後方から焼き尽くしていく。
「よし、一気に仕留めます!!」
エルヴズユンデが巡航速度から一気に加速し、剣のリーチ内に入った異形を片っ端から斬り伏せる。
アクセスは使えないとはいえ、ギルティアとエルヴズユンデにとって、この程度の相手は物の数ではなかった。
あっという間に、異形の群れは壊滅する。
だが、所詮は最後尾の一団を全滅させたに過ぎない。
「まだ先行している異形は多いです、急がなければ…!!」
ギルティアの言葉と共に、エルヴズユンデは再び巡航速度で追撃を再開する。
未だ、その眼前にはただ境界空間が広がっているのみであった…
続く
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