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「…なっ!?」
突如、機体のシステムの大半がダウンし、一瞬、機体が制御不能になる。
背の四枚の翼もまた、まるで朽ちるかのように消滅していた。
「何が、起こったのです…!」
アクセスは発動しているようだが、出力は上がっていない。
それどころか、機体の出力が極端に不安定になっているようだ。
「く、この程度…行かせは…しません!!」
エルヴズユンデが、行動もままならぬまま、左腕のレーザーで追撃をかけつつ更に異形を追う。
だが、追いつくどころか、動力不調で時折移動すらままならない状態になる現在の状態では、距離は離れる一方だ。
「このままでは…!!」
既に、かなり引き離されてしまった。
だが、エルヴズユンデの不調の原因も分からない。
しかも、この不調では、仮に追いついたとしても異形を全滅させるのも一苦労だ。
…何もかもが、異常事態であった。
「…くっ…!」
距離を離されたまま、異形が進路上の宇宙へと侵入する。
「まさか、こんな事になるとは…!」
…願わくば、この宇宙への被害が少ない事を。
ギルティアは、静かにそう祈る。
そして、侵入した異形の最後尾の集団から少し遅れて、エルヴズユンデは異形の侵入ルートに合わせるように進路上の宇宙へと突入した…。
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