第三話 『encounter』

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「…なっ!?」 突如、機体のシステムの大半がダウンし、一瞬、機体が制御不能になる。 背の四枚の翼もまた、まるで朽ちるかのように消滅していた。 「何が、起こったのです…!」 アクセスは発動しているようだが、出力は上がっていない。 それどころか、機体の出力が極端に不安定になっているようだ。 「く、この程度…行かせは…しません!!」 エルヴズユンデが、行動もままならぬまま、左腕のレーザーで追撃をかけつつ更に異形を追う。 だが、追いつくどころか、動力不調で時折移動すらままならない状態になる現在の状態では、距離は離れる一方だ。 「このままでは…!!」 既に、かなり引き離されてしまった。 だが、エルヴズユンデの不調の原因も分からない。 しかも、この不調では、仮に追いついたとしても異形を全滅させるのも一苦労だ。 …何もかもが、異常事態であった。 「…くっ…!」 距離を離されたまま、異形が進路上の宇宙へと侵入する。 「まさか、こんな事になるとは…!」 …願わくば、この宇宙への被害が少ない事を。 ギルティアは、静かにそう祈る。 そして、侵入した異形の最後尾の集団から少し遅れて、エルヴズユンデは異形の侵入ルートに合わせるように進路上の宇宙へと突入した…。
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