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Kさんは個人タクシーを営んでいました。結婚が遅かったこともあり、子供はまだ10代で、一番お金のかかる時期に家族の反対を押し切って個人タクシーを始めたのでした。勤務時代とは違いガソリン代などは自分で負担しないといけないのですが、儲けを独り占めできるという魅力が決意を後押ししました。
その日、Kさんは思うように客を拾うことができず焦っていました。目標金額の半分にも達していません。時間は深夜の11時。
「もう帰ろうかな・・・・・・」
諦めかけていた時、前方で手を振っている中年男性を見つけました。
「よし!」
今日一番の笑顔で客を迎え入れました。
「どちらまで?」
男性が告げた目的地は、Kさんの自宅から目と鼻の先でした。距離的には短かったのですが、帰ろうと思っていたKさんにとっては絶好のタイミングです。
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