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皆がこちらを振り返って見ている。
こんな人目のある所で暴れるわけにはいかない。
くそっ、何だっつーんだあのババア。
気分を紛らわせる為に雑誌を立ち読みするがどうしても気分が悪い。
読んでいた雑誌を、仕返しをする様に乱暴に棚に突っ込み外に出る。
突然、身体に液体がかかった。
「あっちぃ!」
肌を焼く痛みが身体を突き刺す。
急いで液体の染み込んだTシャツを脱いで、身体についたそれを拭った。
液体は消えるが赤い火傷の痕が胸から腹にかけて残る。
足元には、空になったホットコーヒーの器を持ったあのババアが倒れていた。
「テメエ!」
帰らずに隠れてやがったのか!
「すみません、すみません」
弱々しく謝るババアの胸ぐらを掴んで無理やり引き起こす。
「今日は俺一人だからな。ただで済むと思うなよ」
コーヒーなんていつの間に買ってやがった。わざとらしく転んだふりしやがって。
今度という今度は許さねえ。
どうしてやろうかと思案していると、ざわざわとする周りの声に気付く。
周りには既に野次馬が何人か集まっていて、コンビニの中からはお節介な女の客が店員を連れて来ようとしていた。
くそっ。ここで殴ったら俺の方が悪者にされる。
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