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(げっ! こ、この声は!)
三宅香住だった。
白いひらひらしたワンピースに麦藁帽子を被って、日焼けを気にしているらしく日傘を差している。
「あ! 三宅さん、おひさしぶり~」と、答えた。
どうも三宅は街路樹の木陰で涼みながら待っていたらしい。
なんのことはない、日傘が邪魔で顔がわからなかったのだ。
「いつ、きたの?」
と、訊くから「九時半からいる」と正直に答えたら、「あれ? あたしも同じくらい」と言う。
「やべっ! 悪かったなぁ」
「いいから、それより、どっか喫茶店でも入らない? 喉が渇いちゃったよ」
「でも志方とか来るんだろう?」
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