夏のともだち

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「なんで足が濡れているの?」初めて出会った時、たしか僕はそう尋ねた。 彼は家の物干し台や、タヌキの置物、カーテンなんかをきょろきょろ見回しながら 「裏の川を泳いで来ると早い…あそこは浅くてとろい川だから」と言った。 彼は僕よりも家に興味があるみたいで、濡れて砂まみれの足で縁側に上がり込んで、ドンドン足跡をつけながらいろんなものを物色していた。 そういえば彼が遊びに来る時は、決まって僕しか家に居ない時だった。
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