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その時。
どうしよう。
どうしよう。
10年前。
私はあの人を殺したのだ。
殺したのではない、殺したのと同じだ。
あのことは誰にも知られてはいけなかった。
15歳の夏。
10以上年の離れた人との初恋で私は恋に破れ、男を抹殺した。
「この男は私に性的暴行を働いた」
と嘘をついて。
もちろん、周りは信じるものもいた、信じなかったものもいた。
けれど彼は、結果すべてを失った。
幼い日の私には、その一言が引いたひきがねの大きさがわからなかった。
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