nightmare

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「ひぃっ!!!」 マンホールの中には入れない。 だって、マンホールの中は、うねうねと動く臓物がぎっしり詰まっているのだから。 「うっ!」 だが嘔吐している暇はない。 私は逃げなくちゃ……… 必死に口を押さえ、再び走り始める。 立ち止まった分だけ、距離は縮まっている。 離さなきゃ!距離を……… 「ハァハァハァ……」 道が悪くなってきた。 砂利が靴の中に入り、痛みを生じる。 「うぐっ!」 私は再び立ち止まり、砂利を靴の中から取り出した。 「ひぃっ!!?」 砂利ではなかった。 それは、砂利では無く人の歯。 私はそれを投げ捨て、再び走り始める。 「もう……いやぁー!!!」 確実に近づいている。 歯の山に足を取られ、うまく走れていないのも、原因の一つだ。 「に……が……ない!」 「いやぁー!!」 背後から声が聞こえてきた。 もう間近だ。 慌てふためき、涙を流しながら必死に走った。 「ハァハァハァ……」 「にが……い」 「いやいやっ!」 「逃さない!」 「いやぁー!!!」 「逃さない逃さない逃さない逃さない逃さない逃さない逃さない逃さない」 「!?」 振り返り、追いかけてきていた者の正体をみた。 あ……。なぁーんだ……
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