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良一(りょういち)は大学二回生で、この街のマンションに住んでいた。
夏休み直前のある日……
近くの踏み切りを渡っていた時、ある方向が妙に気になった。
それは、西に見える大きな森の方向だった。
「あの森の向こうには、大きな廃屋があってね。いわゆる幽霊屋敷――とかね」
商店街の女主人は、そう答えた。
別に音が聞こえる訳でもないのに、奇妙な感覚だった。
良一はともかく行ってみた。
彼は大学の『心霊研究会』のメンバーでもあったからだ。
それは大きな庭のある屋敷だった。
彼はスマホで数回、撮ってみた。
すると、屋敷の窓に何か写ったのだ。
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