壁の向こう側

枯葉

「どうぞ！どうぞ！わたし達だけで、なんだか寂しかったし、みんなでワイワイしましょ！」

彼は気を使ったのか、そう言うと、

子どものお父さんは、

「すみません。どうも。」

と、言って椅子に腰をかけた。

なんだか、初めて会う人達なのにその家族はわたし達にすぐに溶け込んだ。

ちょうど、カレーが出来たので皆の分をお皿によそおう。

その時だった、いきなり大雨が降り出した。

それは、まるでこのキャンプ場を沈めてしまうのではないかと思うほどの激しい大雨だった。

突然の事に、初めは皆んな戸惑ったが、その内止むだろうとそこからあまり気に留めなかった。