浴衣

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ある夏の日でした。 彼氏と夏祭りに行く約束をしていた私は、友達に選んでもらった白いに赤い朝顔の柄の浴衣を着て行くことにしました。 私と、友達、彼氏は3人ともとても仲が良かったのです。この夏祭りも3人で行こうと話していたのですが、友達が二人で楽しんでおいでと言ってくれたので二人で行くことにしました。 「あいつも、くれば良かったのになぁ!」 「3人でも、楽しかったのにねー。まぁ、二人でまわれるのも嬉しいけどね。」 まだ、付き合って間もない私は彼氏とのデートがすっごく嬉しかったのです。 夏祭りは、縁日も多くとても賑わっていました。 かき氷や、たこ焼き、二人でいろいろ食べながら回っていた時です。 フランクフルトのケチャップが浴衣に付いてしまったのです。 「あっ!新しい浴衣だったのに。」 ケチャップを落とすために、境内にある手水でハンカチを濡らして拭くことにしました。 「やっぱり、落ちないなぁ…。」 ケチャップのついた所は、全然落ちなかったのです…それどこれか、どんどんどんどん赤いシミが広がっていくのです。 まるで、血が広がっていくみたいに。 「やだ、何これ!」 「どうした?」 後ろから声をかけて来た彼氏の方を振り向くと、彼氏の後ろに髪の長い女性が立っていたのです。 私の浴衣にそっくりな浴衣を着て。 「キャァァァア!!!」 「どうしたんだよ!」 「うし…後ろに…。」 後ろを振り返った彼氏には、見えてないようでした。 『私が……そこに……。』 『ソコは、私の場所だったのに!!!!!!』 彼氏の後ろで叫ぶその女性は、私の浴衣を選んでくれた友達だったのです。 それは、彼女の嫉妬心だったみたいです。
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