その道を通ってはいけない

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 大学二回生の浩(ひろし)と一回生の彩子(あやこ)は、浩のマイカーでドライブ旅行に出発した。  行き先は、遥か眼下に美しい海岸線が見れるK温泉だった。  そこは、いま静かなブームを呼んでいる観光地だったのだ。  M県の向こうにあるため、N県道を通る必要があった。  そのため二人は、入り口のファミリーレストランで食事することにした。  平日のためか、店内に客は少なかった。 「夕方の六時までに着くよね?」 「大丈夫。信号もほとんど無いからね」  二人は三十分ほどでファミレスを出ると、K温泉に向うため、すぐにN県道に入った。  その県道は、信号は無かったが、街灯も数えるほどしかない寂しい道路だった。
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