二 お前らとの関係? ②

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 俺たちが言い争いをしている間に、智久は以前自分の席だった場所(窓側の後ろから二番目)にいた。  ちなみに俺の席はその後ろ。純の席は俺の隣で、その前が竜二、そしてその前の2つは岳と浩太の席である。智久は声を上げた。 「ねぇ。何かわっちの席だった場所に紙切れがあるんだけど……?」 「ほんと? なんて書いてるの?」  竜二はくせである黒縁メガメを手で直しながらそう言った。 「うーんと……まじっく・わーるど? マジック・ワールドって書いてる――」 「あん? 何わけのわかんないこと言ってんだよ??」 「いや、本当に書いてるんだって! ほらっ!!」  俺たちが近づくと、確かにその掌に治まる程度の紙切れには英語で『Magic World』とパソコン文字で打たれていた。 「ほら? 書かれていたでしょ?」 「――――ふんっ。だから何だっていうんだよっ!」 「そんなぁ~…………」  自分の机の中を覗き込んでいた竜二が突然声を上げる。 「あっ――――僕の机の中にも入ってた」 「まじで? なんて書いてあるの??」  こうたが即座に竜二に聞く。 「5つの王国……って書いてるぞ?」 「はっ? わけわかんねぇな。俺のにも入ってっかな――――――おぉ! 入ってた!!」 「まじかよっ! なら俺のもか――――――」  純の言葉につられて俺、浩太、岳も其々机の上を確認した。すると、案の定机の中には小さな紙切れが入っていたのだった。  俺の紙切れには――――『闇の世界』。そして、純の紙切れには『光の世界』。浩太の紙切れには『能力』岳の紙切れには『大事な者』と書かれていたのであった。  俺たちは六枚の紙切れと、其々の白いチェスの駒を1つの机に並べた。  ちなみに、純の駒は『ナイト』。竜二の駒は『ビショップ』。岳の駒は『ルーク』。智久の駒は『ビショップ』。浩太の駒は『ルーク』。そして俺の駒が――――『キング』。 「はっ!? なんで隆生がキングなんだよっ!! 普通俺だろ?」 「いや、俺だってしらねぇよ。それよりいったいなんだろこれ……?」 「話逸らしやがって――。まぁいいや。どうせ誰かの悪戯だろ?」  純は既に興味が薄れた感じでそう言った。しかし、俺は何故だが妙な胸騒ぎを覚えた。理由はわからないが――
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