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浩太が冷たく突き放すと、岳が自宅にいるノリで襲い掛かった。
壮絶な叫び声が響く中、じゃれ合う2人を放置して、いかにもパーティーピーポーな見た目をしているチャラ男――砂井 純(すない じゅん)が口を開いた。
「おまえらは良いよなぁ。すぐにやれる女がいてよぉ……俺の大学なんてブスしかいねぇよ」
「看護学校なのに1人もいないの? 可愛い子」
黒縁のメガネをかけたイケメンこと――梅田 竜二(うめだ りゅうじ)が、ハイボールを一口含みながらそう言った。すると純は、手元のビールを一気に飲み干し声を荒げる。
「まったくいねぇよ!! 俺もありさみたいなけつでか女が欲しいなぁ~」
「けつでかって……うひょひょひょ」
「何笑ってんだよ? 粗チン下野? お前はかえでのおっぱいでも吸ってろ!」
説明を入れとくと、ありさとは竜二の高校からの彼女であり、下野とは俺たちの爽やかド変態イケメンの下野 智久(したの ともひさ)。
そして、かえでとはその智久の彼女である。
話の会話からわかるように、智久、竜二、それと岳には彼女がいる。そして、俺、純、浩太には彼女がいないというわけだ。
まぁ、純は彼女はいないが童貞ではない。これは重要なことであるからもう一度言っておく。純は童貞ではない――――ファック!!
俺は心の底から滲み出てくる怒りを押し殺すようにビールを飲み干すと、一息つくときに俺がいつも飲むコークハイを注文した。
そして、思い出すように言葉を放つ。
「そういえば、君たちは彼女とはどうなのよ?」
そう聞くと、3人揃って浮かない表情を零した。
「どうした……?」
「わっち、実は昨日から何故だが連絡がつかないんだよねぇ――――」
「ぇ!? 智久も? 俺もなんだよ昨日から」
「実は俺も…………」
「岳もっ!? 偶然だなぁ――――――」
どうやら3人とも連絡がつかないらしい。へっ。ざまーねぇなぁ――――とは思っちゃいけないよね?
「なんだよお前ら。だっせぇな~」
ぁっ。言っちゃったよチャラ男が。
純の言葉に3人はさらに暗い表情を深めてしまった。そのため、俺は慌てて話を逸らす。
「まっ、まぁ、大丈夫でしょう! それにしても、こうやって集まるのも久々だよなぁ……」
「去年の夏以来だよな?」
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