第八話 夏祭りと秋の訪れ

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……青山家…… 美香の家は住宅地に並ぶ2階建の一軒家だった。 縁は達也に言った。 「達也、お前そこの電柱の影に隠れてろ……」 達也は怪訝な表情で言った。 「何でだよぉ?」 縁は呆れて言った。 「お前さっき家に電話したろ?……そんなお前が家の人にしつこく聞いたら、家の人が心配するだろ?」 達也はすんなり納得した。 「なるほど……」 達也は近くの電柱に身を隠し、それを確認した瑠璃が美香の家のインターフォンを押した。 インターフォン越しに女性の声がした。おそらく美香の母親だろう。 「はい……どちら様ですか?」 瑠璃はインターフォンに向かって言った。 「雨家ですけど……美香ちゃんは?」 「ああ……瑠璃ちゃん?ごめんなさい……美香はまだバイトから帰っていないわ……」 瑠璃は惚けた様子で言った。 「えっ?そうなんですか?祭りに行く約束してたんですけど……」 「まぁ美香ったら……昼前に出て行った切りで……ごめんなさいね」 瑠璃は言った。 「いえ、いいんです……ありがとうございました、失礼します」 縁は言った。 「昼前までは家にいたようだな……」 すると、桃子が電柱に身を隠している達也を見て言った。 「あいつ誰かに絡まれてるぞ」 桃子が言うように、達也はどこかの主婦らしき女性に何か言われている。 縁達は慌てて達也に駆け寄った。 達也は泣きそうな顔で主婦に何か言っていた。 「だから違うよ……俺は美香の彼氏で」 主婦は言った。 「ストーカーは皆そう言うのよっ!」 縁は揉めている二人に割って入った。 「ちょっと達也、何やってんだ?」 達也はすがるように縁に言った。 「縁……助けてくれよ!このおばさんが……」 主婦は激昂した。 「おばさんとは何よっ!おばさんとはっ!」 縁は怒っている主婦に言った。 「ちょっと落ち着いて……こいつ俺の友達なんだけど、何か?」 縁の登場で、主婦は達也が不審者で無いのが理解できたようで、バツが悪そうに言った。 「あら……青山さんの家を覗き見してるから、私てっきり……」
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