第八話 夏祭りと秋の訪れ

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② これまでの事を今野に電話で報告し、縁は皆に言った。 「今野さんに連絡を入れておいたよ……雨家さんと青山さんのバイト先で待ち合わせをした」 桃子が言った。 「何故バイト先で待ち合わせを?」 縁は答えた。 「ここに来るまでに、防犯カメラが3つあった……見た感じ3つ共SDカード対応のカメラだった。今野さんにそのSDカードを持ってきてもらうように、頼んでおいた」 桃子は納得した。 「なるほど……それをバイト先で確認するのだな……」 「そう言う事……あと、パン屋が一軒まだ営業していたから、戻るついでに聞き込みに行こう」 縁はそう言うと元来た道を戻って行った。 他の3人も縁を追うようにパン屋に向かった。 パン屋に向かう道中……達也が縁に言った。 「なぁ……縁……」 「どうした?」 達也は感心した様子で言った。 「お前よく防犯カメラがあるって気付いたな……普通は気付かないぜ」 縁は言った。 「シンプルな住宅街だからな……見る所も少ないし、すぐに気付いたよ」 達也はさらに感心した。 「すげぇな……俺なんて美香の事で頭がいっぱいだから、それどころじゃなかったよ」 「彼女が行方不明なんだ……仕方がないよ」 達也は言った。 「じゃあ……お前も、桃子さんが行方不明になったら……うろたえるのか?」 「えっ?……」 縁は考えた。 もしも桃子が行方不明になったら……。この間の船の事件の時、桃子は神田に襲われ、換金されていた。 あの時の縁は、確かに冷静さを欠いた。 縁は達也に言った。 「そうだな……実際そうだった」 縁と達也が話している内にパン屋に到着した。 住宅街に建っているパン屋は、家を改築してパン屋を営んでいるようだった。 店の前で瑠璃が言った。 「このパン屋さんで、美香ちゃんは毎朝……お昼ご飯を買ってるって、言っていたよ」 桃子は言った。 「だとしたら、今日も寄っているかもしれないな……」
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