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4人がパン屋に入ると、優しそうな老夫婦が閉店の準備をしていた。
おそらく店主とその妻だろう。
後片付けをしていた店主が、縁達に気付き、申し訳なさそうに言った。
「すみません……もう店じまいなんですよ」
縁は店主に言った。
「いえ、少し聞きたい事があって……」
店主はキョトンとして言った。
「聞きたい事?はて……」
達也が言った。
「昼頃に美香……女子高生が買いに来ませんでしたか?」
すると、店主の妻が言った。
「美香……もしかして、青山さんの?」
達也は身を乗り出して言った。
「そっ、そうですっ!青山、青山美香っ!来ませんでしたか?」
店主の妻はニコニコしながら言った。
「ええ……来ましたよ。昨日も今日も……」
達也は声を荒げた。
「なっ、何か変わって様子はっ!?」
達也の様子に店主の妻は少し驚いたようで、戸惑いながら言った。
「特には……美香ちゃんに何かあったの?」
縁は慌てて言った。
「いえ……そう言うわけじゃ……」
すると、ただらなぬ様子の達也を見て、店主が言った。
「何かあったんだったら、警察に……」
すると桃子が言った。
「心配する必要は無い……実は美香と夏祭りの待ち合わせをしていたのだがな……どうやら行き違いになったみたいで……それで、この店に寄っているかもと思ってな」
店主が言った。
「今、昼前にって、言わなかったかい?」
桃子はとぼけて言った。
「昼前に?そんな事を言ったか?」
店主の妻は不安そうに言った。
「だったらいいんだけど……」
縁は店主に聞いた。
「青山さんはいつも……何を買っていますか?」
店主は少し怪訝な表情で言った。
「どうしてだい?」
縁は言った。
「俺も食べようと思って……」
店主は言った。
「それなら……パックに入ったサンドウィッチだよ。今日はもう売り切れたけど……」
縁は残念そうに言った。
「そうですかぁ……明日はありますか?」
店主は申し訳なさそうに言った。
「すまないねぇ……明日も作るから、明日に来てくれるかい?」
縁は言った。
「ええ……明日買いに来ます……」
そう言うと縁は3人を連れて店を出た。
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