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縁は言った。
「さっきも言ったけど……車で拐ったって事は無さそうだ……それに、最後のカメラからこの店までは、僅か数mしか無い……仮にこの僅かな距離で無理矢理連れ去ったとしても……目立ってしょうがない……」
瑠璃は言った。
「じゃあ……美香ちゃんは……」
縁は言った。
「一度この店に来てるな」
達也が頭を抱えた。
「もう……訳がかわんねぇよ……」
縁は言った。
「今考えられるのは……青山さんが誰かに拐われていた場合……犯人は顔見知りだって事さ……」
そう言うと縁は立ち上がった。
立ち上がった縁を見て桃子は言った。
「何処へ行くのだ?」
縁は言った。
「まず青山さんが、一度この店に来た確証を持たないとな……」
縁は続けて今野に言った。
「今野さんは、青山さんの親御さんに金戒の事を説明してきてよ……」
今野は言った。
「何で僕が……」
縁は言った。
「俺達より、刑事の今野さんが言ったほうが説得力がある」
今野は渋々引き受けた。
「仕方ないな……こんな状況だし、動かない訳にもいかないか……」
縁は笑顔で今野に言った。
「善良な市民を守るのが警察だからね……んじゃよろしく……」
そう言うと縁は店を出て行ってしまった。
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