第八話 夏祭りと秋の訪れ

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縁は言った。 「さっきも言ったけど……車で拐ったって事は無さそうだ……それに、最後のカメラからこの店までは、僅か数mしか無い……仮にこの僅かな距離で無理矢理連れ去ったとしても……目立ってしょうがない……」 瑠璃は言った。 「じゃあ……美香ちゃんは……」 縁は言った。 「一度この店に来てるな」 達也が頭を抱えた。 「もう……訳がかわんねぇよ……」 縁は言った。 「今考えられるのは……青山さんが誰かに拐われていた場合……犯人は顔見知りだって事さ……」 そう言うと縁は立ち上がった。 立ち上がった縁を見て桃子は言った。 「何処へ行くのだ?」 縁は言った。 「まず青山さんが、一度この店に来た確証を持たないとな……」 縁は続けて今野に言った。 「今野さんは、青山さんの親御さんに金戒の事を説明してきてよ……」 今野は言った。 「何で僕が……」 縁は言った。 「俺達より、刑事の今野さんが言ったほうが説得力がある」 今野は渋々引き受けた。 「仕方ないな……こんな状況だし、動かない訳にもいかないか……」 縁は笑顔で今野に言った。 「善良な市民を守るのが警察だからね……んじゃよろしく……」 そう言うと縁は店を出て行ってしまった。
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