第八話 夏祭りと秋の訪れ

15/25
前へ
/166ページ
次へ
③ 外に出た縁を追うように、桃子は立ち上がって、3人に言った。 「縁を見てくる……皆はここで待っていてくれ」 そう言うと桃子は縁の後を追って、店の外に出た。 外に出ると、店の外でキョロキョロしている縁がいた。どうやら何かを探しているようだった。 桃子は縁に言った。 「何を探している?」 「こんなとこには無いか……」 そう言うと縁は店の裏側に歩いて行った。 「まて……私も行くぞ」 桃子もその後を追った。 店の裏には従業員用の車が3台分駐車できる駐車場と、倉庫のような小さなプレハブ小屋があった。 縁はキョロキョロしながら呟いた。 「結構広いね……うん?あれか……」 そう言うと縁は店の裏口の側にあるゴミ箱を発見した。 縁はゴミ箱にいくと、蓋を開けて中身を物色している。 「うわぁ、汚ねぇ……」 はたから見ると異様な行動をしている、縁に桃子が言った。 「縁……何のつもりだ?ゴミ漁りなんかして……」 縁は桃子の声が聞こえているのか、いないのか……ゴミ箱を漁り続けている。 すると、縁の手が止まった。 「やっぱりあった……」 何かを見つけた縁はスマホのカメラで、それを撮った。 桃子は怪訝な表情で言った。 「何をしているんだ?」 縁は言った。 「うん……ちょっとね」
/166ページ

最初のコメントを投稿しよう!

21人が本棚に入れています
本棚に追加