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達也は桃子の好意に感謝している。
「見ず知らずの、縁の彼女にまで……ううう、感激です」
縁は言った。
「だから彼女じゃねぇよっ!」
桃子はまんざらでもなさそうだ。
「気にするな少年……私は小笠原桃子……縁の大事な人間だ」
縁は言った。
「ややこしい自己紹介をするんじゃないっ!」
こうして3人は達也の彼女の働くファストフード店に向かった。
百合根神社を出て徒歩5分程で目的地のファストフード店に到着した。
店には駐車場があり、そこそこの敷地面積だ。
百合根神社の近くもあってか、店は賑わっていた。
外から店の様子を伺いながら縁は言った。
「彼女いるか?」
達也は首を横に振った。
「いや……いない」
すると、店の裏口から高校生くらいの女子が一人、出てきた。
その女子は店の前で店内の様子を伺いながら伺っている3人に声を掛けた。
「新井場君と森谷君……」
その声に反応した縁は、その女子に言った。
「雨家さん……」
声を掛けた女子はクラスメートの雨家瑠璃だった。
瑠璃は桃子にも気付き挨拶をした。
「小笠原さんっ!この間はありがとうございました」
桃子は笑顔で瑠璃に言った。
「瑠璃か……気にするな。元気そうでなによりだ」
縁は言った。
「裏口から出てきたって事は……雨家さんこの店で」
瑠璃は言った。
「そう……バイトしてて、今終わったところ……それよりも、どうしたの?こんな所で……」
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