第八話 夏祭りと秋の訪れ

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縁は瑠璃に事情を説明した。 瑠璃は言った。 「美香ちゃん……今日は来てないよ」 達也はキョトンとした。 「来てない?美香が?」 縁は言った。 「美香ちゃん?まさか達也の彼女って……」 達也は言った。 「隣のクラスの青山美香(あおやまみか)だよ」 瑠璃が縁に言った。 「新井場君……知らなかったの?」 縁は何故か疎外感を感じた。 「知らなかった……」 桃子は瑠璃に言った。 「着ていないとは、どう言う事だ?」 「正午からのシフトだったんですけど……無断欠勤したみたいです」 縁は疎外感を忘れるように言った。 「こう言う事……よくあるの?」 瑠璃は首を横に振った。 「こんな事初めてだよ……美香ちゃん、滅多に休まなかったし、休む時は必ず店に連絡を入れるから……」 達也は再び顔面蒼白になった。 「何処に行っちまったんだよぉ……美香……」 縁は言った。 「達也、青山さんの家は?住所は?」 「知ってるよ……」 「青山さんの家に行ってみよう……」 達也は泣きそうな顔で言った。 「何しに行くんだよぉ……」 縁は言った。 「青山さんが何時、家を出たのか知る必要がある」 瑠璃が言った。 「私も行くっ!そんな事があったなんて……心配だよ」 達也は瑠璃の好意に感激した。 「雨家……お前まで美香のために……」 達也を見て桃子は言った。 「喜怒哀楽の激しいやつだ……」 瑠璃は言った。 「美香ちゃんの家はここから、徒歩5分程だよ……急ごっ!」
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