必ずエレベーターで来てね!

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 F市に住んでいる真知子は、K区の高校に通っていた。  半年ほど前に、転校してきたのだ。  そして千恵子という友達ができた。  住まいが、お互い近所だったからだ。    ある日、千恵子が風邪で休んだため、学校で渡されたプリントを真知子が届けることになった。  千恵子は、Eマンションに母親と住んでいた。  真知子が向っていする時、空が真っ黒に曇り、雨が降り出した。 「おかしな天気、さっきまで晴れてたのに……」  真知子が、Eマンションに着いた時、雨は本降りになっていた。  さっそく彼女にケータイで、 「もしもし千恵子? いま着いたけど、何階に行けばいいの?」 『五階だけど、階段で来ないで必ずエレベーターを使うように――ってママが言ってるから』 「それは当然でしょう」 『だったらいいけど、絶対に階段はダメだからね』 「はいはい」  真知子はエレベーターの前に立ち、ボタンを押した。  しかし6階で止まっているエレベーターは、一向に下りる気配が無かった。
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