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話は終わりだと、マトは昼寝を再開することにした。術を行使し音を遮断しようとする。それを力任せに破ったのは当然ヘリヤだ。
「マト、あたしがサバクになったら、絶対に対等な立場での使い魔として召喚してあげるよ。契約してもいい」
「……足りねぇな」
「……名前だけはわかってるんだよね。その子、『クオラ・コボトリウ』って言うんだけど」
マトはそこで舌打ちをひとつする。
「…………いくら俺たちでも、食われたくなきゃ、あんまり薄くはできねぇぞ」
二人の間に契約の術が編まれ、ほわっと一瞬、淡い光が鎖のように現れた。ヘリヤは満足そうにうなずくと、早速とばかりに分体をいくつも出現させる。マトもそれにならい、いくつかの分体を出現させた。
「きっとね、まだ、産まれたばっかりだと思うんだよね。なんとかなるなる! ほら、よろしく!」
「産まれたばっか……ヘリヤお前、一体何年、俺を働かせるつもりだよっ!」
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